三つ子の魂(犬神家風味)

ぼくは他人様から「趣味はなに?」と訊かれたら、「ことわざ辞典を読むことかな」などと、実際には読んだりなんかしないくせに、そう答えると二割増しくらいに頭が良く見えそうな気がして、ついそう答えてしまうほど「ことわざ」が好きなんです。あるいは浅はかな感じに「ことわざ」が好きなんです。

そんなぼくがこどものころに一番怖かったことわざは「三つ子の魂、百まで」でした。「三つ子」「魂」「百(才)」とか、使われているのがなんとなく怖い単語ばかりじゃないですか。

それらの単語から連想されるビジュアルイメージは、市川崑監督作品『犬神家の一族』でした。古くてかびくさそうな日本家屋、その奥の暗い座敷の隅で、まるで蝋人形のごとく身じろぎもせずに座る双子の老婆。あれの三つ子版がぼくにとっての「三つ子の魂、百まで」のイメージでした。

余談ですが、同じく市川崑さんが監督した映画「細雪」を観たら、主人公姉妹の絢爛豪華たるはずのお屋敷も、犬神家そっくりの妙に暗いライティングでした。おかげでひどくドキドキしてしまいました。今にも吉永小百合さんが惨殺され、湖面から両足を空に向けて突き出す全裸死体となって発見されたりしちゃうんじゃないかと。


※双子の老婆が登場する横溝作品は、本当は「犬神家の一族」じゃなくて「八つ墓村」です。浅はかな知識ですいません。

【 2006/10/23 】
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(マサヨシマサシにだけ内緒で読ませちゃう)


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