何かと寿命が二日分縮まった二日間

決め塩同居人が勤務先の雇用主から『三國の決め塩』というお塩を頂いてきました。このお塩、なんと125グラムで700円もするのだそうです。700円といえば我が家の食費二日分相当です。なんか気軽に食べたらバチが当たりそうな気がします。

そんな無意味に身の細る思いを味わうぼくとは正反対の同居人。気軽な口調でこんな提案をしてきました。
「ねえねえ。このお塩とコシヒカリでおにぎり作って、っていうかもちろん作るのはマサシだけど、公園に持っていって食べようよ」

昨年、とあるネット商店のプレゼント抽選で当選し、魚沼産のコシヒカリ(10キロ)をいただいたのでした(こんな話ばかりですいません)。そのコシヒカリと決め塩、そして安っぽい梅干と安っぽい海苔でおにぎりを作り、ぼくらは大きな池のある公園に行きました。

「あ。ボート発見! 乗ろう! あれ乗ろう!」
そう言う同居人が指差したのは貸しボート乗り場でした。
「うは。30分600円だって。うちの食費2日分近い額だよ? どこか未知への場所に行くわけでもなく、労力かけて同じ場所に戻ってくるために2日分の食費だよ? それでも乗るの?」
「乗る! 絶対乗る! 2日分早死にしてもいいから乗る!」

というわけで貸しボートに乗り、池のさざなみに揺られながらおにぎりを食べました。それがおいしかったのなんの。さすが2日分の食費相当の塩です。ふだん口にしている安売り品の塩にはない、なんともいえない甘さがありました。とはいえべたべたした甘さなどではなく、塩気を絶妙に引き立てる上品かつほのかな甘さ。その味わいは、甘さというよりも、濃厚な旨みと呼んだ方がそぐわしい気もします。2日早死にしても食べる価値があるような、そんな風に思わせてくれる塩でした。

「すごいね! やっぱぜんぜん違うね、この塩! すげー美味しい!」
ぼくはちょっと興奮気味にそんな感想を言いました。
「へえ。そうなんだ。あたしぜんぜん分かんないよ」
そんな同居人の感想に、ぼくはちょっとがっかりしかけました。
「でも、違いは分かんないけど、マサシの作った物ってみんな美味しいよね」
ぼくのがっかりをあっさりと払拭させるようなうれしい感想です。
と思わせてこんなオチも。
「っていうか、あたしバカ舌だから何食べても美味しいんだけどさ」
なぜか勝ち誇ったように高笑いする同居人でした。
「特に青空の下で食べるとさあ、なんかもうこれでもかってくらいおいしく感じちゃうのよねー」
ぼくもつられて笑いました。

晴れ渡った冬の空の下で漕ぐボートは、とっても気持ちよかったです。じんわりと汗のにじむ首筋が、ほのかな冬の風に心地良くくすぐられます。確かに2日分早死にしても乗る価値のある楽しいボートだったような気がします。

で、ボートから一夜あけた今日、運動不足のぼくはすっかり筋肉痛になってしまいました。容赦ない筋肉痛は、たぶんぼくの寿命を2日は縮めてしまった気がします。

【 2007/01/12 】
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天から二物を与えられました

まじめにコツコツとやってきた人に最後には幸運が巡ってくる、というのは昔話やドラマによく見られるエンディングパターンのひとつだと思いますが、ウチの同居人は、そういうハッピーエンドがあまり好きではないらしいんです。

「真面目ないい人に幸運が巡ってきて、不真面目な悪い人には不幸が訪れるなんて、なんかすんごく希望のなくなっちゃう話じゃない?」

意味が分かるような分からないような、そんな同居人の話にぼくは黙って耳を傾けました。

「だってそうでしょ? 昔話に出てくる真面目でいい人なんてこの世にはそうそういないじゃない? 少なくともあたしはあんな真面目でいい人じゃないし。っていうか、あきらかに不真面目な悪い人の側だし。だからあの昔話のパターンで言えば、あたしみたいなのっていうか、世の中のほとんどの人には最後には不運が待ってるってことになっちゃうでしょ?」

同居人はぼくの顔に視線を移して続けました。

「だからさあ、マサシみたいな人みてると、な〜んか希望がわいてきちゃうのよね。だってほら、マサシって控えめに言っても著しく人徳の欠けたオトコでしょ。おまけに怠け者で不親切でふしだらで不穏でふがいないオトコでしょ。そんなマサシなのに、運だけは人一倍いいじゃない? そういう運の良さ見てるとさあ、ああこんなダメな人にすら幸運が与えられるんだから、あたしにだってそのうちラッキーが巡ってくるだろうなあって思えるのよねー」

そんな幸運なぼくに、今日も天から二物が与えられました。商店街の福引でつねづね欲しいと思っていた圧力鍋が当たり、某スーパー銭湯の改装記念プレゼントでJTBの旅行チケット5万円分が当たったのでした。

年があけてまだ十日あまりですが、今年のピークがはやばやと訪れているような気がします。というか、今が人生のピークなんでしょうか。

圧力鍋と旅行券


「そういえば、人の何倍もやることを人一倍って言うけど、あれ意味わかんないわよね? 一倍って一倍じゃん。一緒じゃん。踏んだり蹴ったりとかって言葉も意味分かんないし。だってどう考えても、踏まれたり蹴られたりの方が正しい気がするし」

その後も同居人の話が延々とつづく夜でした。

【 2007/01/11 】
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どっちにしろ電子な人

「マサシってさ、電子レンジっていうよりは電子ジャーって感じの人よね」

いつものことなので慣れているんですが、同居人からそんな意味不明なことを言われました。

「……電子ジャー?」
「電子ジャーの『ジャー』って意味分かんないでしょ? っていうか、あたしは分かんないのよ。なによジャーって。ジャーってどういう意味?」
「それはつまりぼくが意味分かんない人ってことなのかな?」
「違うわよ。説得力がない人って意味よ。だって、電子レンジって名前聞いても『レンジ』ってどういう意味? なんて訊こうとは思わないでしょ? 有無を言わせない説得力があるのよ、電子レンジには。けど電子ジャーはまるっきり説得力不足。どうしても訊きたくなっちゃうのよね。ジャーってどういう意味なのかって。要するにマサシは説得力のない人ってこと」

カンケーない話だとは思いますが、我が家の電子ジャーの調子が最近悪いです。でろんでろんのオカユのできそこないみたいなゴハンしか炊けなくなりました。くどいようですが、カンケーない話だとは思うんですが。

【 2007/01/10 】
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夢のような現実

新年早々、知人がウチに来てくれることになりました。

有名和菓子店の葛桜とまではいかなくても、なにかしらのおもてなしをしなければ。とはいえ、我が家にあるものといえばお米としょうゆくらい。

で、焼きおにぎりを作ったんですが、あまりのしょぼくれ加減に、かえって失礼に当たるのではと心配になりました。

握ったゴハンにしょうゆを塗って焼いただけの物でも、せめて買ってきたものであるならば失礼に当たらないのでは。なんて気がしたもので、ぼくは知人に向かってこんなことを口走ったのでした。

「これ、冷凍食品だから! ほんとに冷凍食品だから!」

いささかてんぱり気味なぼくに、知人はただ苦笑いを浮かべるだけでした。

ほんとは「真心こめた手作りだから」とか言った方がいいのかもしれませんが、「ぼくの真心」とか「ぼくの手作り」とか、どう考えても価値があるようには思えないんです。

で、それから二時間後、知人はおにぎりに手をつけないまま帰ってしまいました。


……という夢を五年ほど前に見たのですが、それが昨日、正夢になりました。
夢と違った点は、知人が残さず焼きおにぎりを食べてくれたことでした。現実は夢よりもちょっとだけやさしかったです。

【 2007/01/09 】
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あいまい、そしてあいまい

ウチからは共に徒歩圏内にある「スーパーダイエー」と「ディスカウントショップオリンピック」。経済的にさみだれてる我が家としては当然ディスカウントショップで買い物をしております。

ところがつい先日、同じ商品がダイエーとオリンピックで同じ価格で販売されていることを知ってしまいました。愕然です。「ディスカウントショップで買うと、なーんかディスカウントな気分っていうか、お得な感じしちゃうよね」などと小躍りして喜んでいた今までのぼく。小躍りしていたつもりが、実は踊らされていただけだったんです。

考えてみれば、「ディスカウントショップ」なる名称は、たんなる「自称」が多いような気がします。「自称親切な人」なんか絶対信用しないのに、「自称ディスカウントショップ」だと、こうも簡単に信じてしまうなんて。

「この際だから、大規模小売店舗法とかでスーパーとディスカウントショップとの間にはっきりとした境界線を引いてもらいたいよね」
自分の浅はかさを八つ当たりで紛らわそうとするかのように、ぼくは同居人にそんな意見をのたまったのでした。すると同居人からはこんな返事が。

「そんな細かいこと、どーでもいいじゃない。っていうか、あたしアバウト大好きだし。何もかもあいまいだったらいいなあとか思ってるし。あ〜あ、できたら幸せと不幸せの境界とかもあいまいになってくれないかなあ」

いろいろと思うところありそうな顔の彼女でした。うかつに踏み込むと会話がただならぬ方向へ行ってしまいそうな気がしたもんですから、その話題はあいまいなままに終了。



【 2007/01/08 】
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正月に観たり聴いたり

今年最初に見た映画は『誰も知らない』でした。
カンヌで最年少主演男優賞を獲ったヤギラユウヤさん主演。
母親役にはYOUさん。家を出て行った母親、そして残された子どもたち。
やがて兄弟のうちのひとりは死んでしまう。

正月早々に観る映画としてはなかなかヘビーでした。

気分転換にバラエティでも観ようとテレビをつけたらびっくり。
『誰も知らない』で親子を演じたコンビが、CMでも
親子を演じてるじゃないですか。ダイハツミラのCM。

なんか映画を観たときの悲しさが洗い流されるような、
そんな楽しげな親子。

と思ったらCMのラストでYOUさんが
「ちょっと遊びに行ってくるね」
とか言って、ヤギラ君を置いてひとりクルマで去っていく……。

すげーブラックなCMですな。


風邪で寝込んでいた正月中、元気付けにソニックユース
ばかり聴いてました。
下のビデオは、そのライブ。ボーカルの女の人の年齢、
たしかもう40台後半なんですよね。
すげーかっこいい40台後半。ピンクのワンピース着て、
でんぐり返ししちゃう40台後半。
シビれます。





【 2007/01/06 】
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